
夏休みが終わり、新しい学期が始まる時期になりました。
最近、学生の方から、人間関係や学校という世界の中で起きていることについて、お話を聴く機会がありました。
話を聴きながら改めて感じたのは、若いこころの柔らかさと、同時にある硬さ、そして感受性の強さです。
大人から見れば今後も起こりうる出来事に見えることでも、その人が今いる世界の中では、とても大きな出来事であることがあります。
学校、教室、友人関係。
毎日を過ごす場所だからこそ、そこで起きることが、その人の世界の大部分を占めることもあります。
そんな話を聴いていると、大人として何を言葉にするのか、その難しさを感じます。
励ますつもりの言葉が、違う意味で届くことがある
たとえば、
「そういうことは、社会に出ればこれからもあるよ」
という言葉。
言う側は、
「今はとても大変だと思うけれど、これからいろいろな経験をしていくから大丈夫だよ」
というつもりかもしれません。
けれど、受け取る側には、
「そんなことくらいで悩むな」
「これからもっと大変なんだから」
と聞こえることもあります。
同じ言葉でも、話す人と受け取る人が、同じ意味を共有しているとは限りません。
だからこそ、言葉を選ぶ。
それでも足りなければ、言葉を尽くす。
そして、ときには言葉を足さず、ただ話を聴く。
何を言えば正解なのかを探すよりも、まずはその人が今どんな世界にいて、何を見て、どう感じているのかを知ろうとすること。
その人の世界を、大人の経験や価値観だけで小さく扱わないこと。
そんなことを大切にしたいと、改めて思いました。
「大丈夫」にすることを急がなくてもいい
悩んでいる人を目の前にすると、何とかしてあげたいと思うことがあります。
安心させたい。
前向きにしてあげたい。
何か役に立つことを言いたい。
けれど、すぐに励ましたり、解決策を伝えたりすることよりも、その人が話していることを、その人の世界から理解しようとすることが必要なときもあります。
それは、学生に対してだけではないのだと思います。
家族でも、職場でも、身近な人との間でも。
自分にとってはそれほど大きなことではなくても、相手にとっては大きなことかもしれない。
自分には見えている答えがあっても、相手には違う景色が見えているかもしれない。
人の話を聴くということは、そんな違いがあることを忘れないことでもあるのだと思います。
新しい学期が始まるこの時期。
学校へ向かう人も。
少し足取りが重い人も。
新しい環境に慣れようとしている人も。
その姿を見守っている人も。
まずは、その人が見ている世界を知ろうとすることから。
そんな関わり方があってもいいのではないでしょうか。
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